夫婦が話合いをして、その結果夫婦の双方が離婚に合意する方法なので、基本的に費用はかかりません(離婚公正証書を作成するときは、費用がかかります)。
夫婦が話合う時間を持ち、お互いに自分の意見だけを主張せずに譲歩して話合いができれば、この方法で離婚することができそうです。
しかし、それは夫婦関係が冷え切った状態では簡単なことではありません。相手方が話合う姿勢を見せてくれない、話合いがまとまらない、行方不明などの場合は、協議離婚は難しくなります。
厚生労働省の「平成22年人口動態統計」によると、平成22年に離婚した件数は25万1,378件で、うち協議離婚が87.6%、調停離婚が9.9%、和解離婚が1.5%、審判離婚が0%、判決による離婚が1.0%です。
「離婚=弁護士、裁判所」というイメージがあるかもしれませんが、実際は離婚したほとんどのケースが協議離婚によるものです。
「性格が合わない」「姑とそりが合わない」という理由でも、協議離婚では夫婦が離婚することに同意をすれば、離婚届を提出して離婚が成立します。つまり、夫婦が離婚に同意をすれば、離婚の理由は何でもよいことになります。
裁判所で離婚を争うときは、民法770条で決められた離婚理由に該当していなければならないので、協議離婚のように「離婚理由は何でもよい」という訳にはいきません。
良い点
・ 費用がかからない(離婚公正証書を作る場合は費用がかかります)
・ 夫婦間の合意があれば、比較的短期間で離婚の成立が可能
・ 離婚の手続が簡単(離婚届に署名・押印して役所に提出)
・第三者の立会いが必要なく、プライバシーが守れる
悪い点
・ 単なる夫婦喧嘩なのに、勢いで離婚までいってしまった
・ 離婚後の生活などを考えずに離婚をしてしまい、後悔する人が多い(特に女性)
離婚届は、子の親権者を父母のどちらにするか、新しい本籍地などが決まれば、それらを記載して役所に提出すれば受理されます。
つまり慰謝料・財産分与・養育費の金額や支払い方法は取り決めがなくても離婚できます。
ですから、離婚には合意しているが、慰謝料・財産分与・養育費の話合いがつかないときは、まず離婚を協議離婚で成立させてから、その後にそれらについて、話し合いで決めたり、又は調停の場で決めることもできるのです。
しかし、先に離婚が成立してしまうと、相手方がその後の話合いに応じなくなる場合も少なくありません。
できれば、慰謝料・財産分与・養育費の金額については、離婚届を提出する前に話合って決めておきましょう。
流れとしては、
離婚と慰謝料などについて十分な話合いをして合意する
離婚協議書、公正証書の作成
離婚届の提出、離婚の成立 という流れで行なうのが理想です。
相手方が勝手に離婚届を提出する心配があるときは、夫婦の本籍地の役所に「離婚届の不受理申出」を提出しておきます。これにより、離婚届が受理されるのを止めることができます。(戸籍法改正により平成20年5月1日以降申出を受け付けたものは無期限となります)
離婚の話合いが整った後で、「不受理申出の取下げ」をすれば、離婚届は受理されます。
協議離婚の成立時期は、離婚届に署名・押印したときではなく、役所に離婚届を提出して受理されたときです。また、離婚が有効に成立するためには、離婚届を役所に提出した時点で夫婦双方に”離婚をする意思”と”離婚届を提出する意思”がなければなりません。
では、「やっぱり離婚はしたくない!」と伝えたにもかかわらず、勝手に離婚届を提出されてしまったときには離婚は成立するのでしょうか?
一度役所に離婚届が受理されてしまうと離婚したという事実が戸籍に記載されますから、簡単にそれを取り消すことはできません。離婚届が役所に受理されてしまった場合には、家庭裁判所に「離婚無効の調停」を起こして離婚が無効であることを争うことになります。
協議離婚は、行政書士が関わることが可能です。判例等を基準とした条件合意に向けての話合い方法、離婚協議書や公正証書についてなどご相談ください。
谷 雅史行政書士・社会保険労務士事務所
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