面接交渉権とは、「離婚後、親権者もしくは監護権者とならなかった親が、未成年の子と面接する権利」のことです。たとえば、母親が子どもの親権者(監護養育権を含む)になった場合には、親権者とならなかった父親が面接交渉権を持つことになります。
判例でも、「親権もしくは監護養育権を有しない親は、未成熟の子と面接または交渉する権利を持ち、この権利は未成熟の子の福祉を害することがない限り、制限されたり奪われることはない」(要約)とされています。(つまり、面接交渉が子の福祉を害する場合には、権利といっても制限されることがある、ということです)
父親からの「子どもと会わせてくれないなら、養育費は支払わない」とか、母親からの「養育費をくれないなら、子どもと会わせない」というような主張は、認められません。面接交渉することと養育費を支払うことは、全く別々の権利・義務の関係にあります。
また、父親は子どもと離れて暮らしていても、たまに面接することで、「自分には養わなければならない子どもがいるんだ」ということが再確認でき、それが毎月の養育費の支払いにつながることもある、という側面があることも考慮にいれて、面接交渉を考えましょう。
子どもが小さいときは、両親の都合のみで面接の日程を決めることができても、子どもが成長するにつれて学校行事や習い事などの予定で、面接の日程を決めるのが難しくなることがあります。
面接交渉を「1ヵ月に1回」と決めるのが一見良さそうに思えますが、逆にこの回数の制限が足かせになることも予想されます。
具体的な回数を定めずに「申し出があったときには、面接交渉を認める」とすることも可能ですが、ある程度の基準をはっきりさせておいた方が良い場合が多いのではないでしょうか。
また、面接交渉にかかる費用の負担をどうするのかも大事な点です。
前記のとおり、子どもとの面接交渉は離別した側の親が、暴力や薬物乱用などの問題を抱えている場合、また面接時に離婚した元配偶者の状況を探ろうとしたり、悪口を言ったりする場合など、会わせることが子どもの福祉を害するのかではないかと言う場合です。
離婚協議書で面接交渉について取決めをしていても、家庭裁判所に「面接交渉の調停」の申立てをすると、その親との面接が制限できることがあります。また、子が15歳以上のときは必ず審判(調停より進んだ話し合い)の場で、面接交渉についてその子の意見を聞かなければならないことになっています。
子どもを育てている親が再婚した場合、別れた親は面接交渉を続けるほうが良いのでしょうか?それとも再婚家庭を邪魔しないほうが良いのでしょうか?もちろん、法的には、再婚家庭に面接交渉をしてはいけないという決まりはありません。
この問題は、子どもの年齢と性格によりますが、大変難しい問題です。
一番大切なことは、やはり子どもの福祉であり、子どもが毎日育っている環境が安定することです。ですから、子どもに影響がでると判断すれば、面接交渉を行うことは難しいでしょう。
ただ、子どもが14,15歳になれば、自分の意思で会いたいか会いたくないかを決めることができるでしょう。その年齢になれば直接子どもに聞いてみるのも良いかもしれません。
子どもは、色々な人と触れ合うことによってどんどん成長します。
ある年齢以降は、ほとんど子どもの意思によって面接交渉が行われると考えたほうが良いでしょう。
面会交流を正当な理由もなく拒否したことは、面会交流を求める人に対しての不法行為となり、損害賠償請求を受けることがあります。
また、面会交流を拒否したことに正当な理由がなければ、相手方から親権者、監護権者変更の申立てをされたり、場合によっては、親権喪失宣告の申立てを受けることもあります。
これは、面会交流が子どもの福祉に有益であると考えられているためで、親権者あるいは監護者が、子どものことを考えずに理由もなく面会交流を拒否することは、その適格性に疑問ありと判断されてしまいます。
ですから、子どもの福祉に害がある事情もないのに、面会交流を拒否することは、親権者や監護者としての能力にマイナスの影響を及ぼすことを注意する必要があります。
谷 雅史行政書士・社会保険労務士事務所
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