厚生労働省の平成25年人口動態統計年表を見ると日本人同士の離婚は2000年をピークに以後毎年減少していますが、夫婦の一方が外国人の場合は、1995年以来毎年増加が続いています(2009年をピークに減少)。
国 籍 | 平成7年 (1995) |
平成12年 (2000) |
平成17年 (2005) |
平成21年 (2009) |
平成22年 (2010) |
平成23年 (2011) |
平成24年 (2012) |
平成25年 (2013) |
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総 数 | 199,016 | 264,246 | 261,917 | 253,353 | 251,378 | 235,719 | 235,406 | 231,383 | |
夫妻とも日本 | 191,024 | 251,879 | 246,228 | 233,949 | 232,410 | 217,887 | 219,118 | 216,187 | |
夫妻の一方が外国 | 7,992 | 12,367 | 15,689 | 19,404 | 18,968 | 17,832 | 16,288 | 15,196 | |
夫日本・妻外国 | 6,153 | 9,607 | 12,430 | 15,570 | 15,258 | 14,224 | 12,892 | 11,887 | |
妻日本・夫外国 | 1,839 | 2,760 | 3,259 | 3,834 | 3,710 | 3,608 | 3,396 | 3,309 | |
夫日本・妻外国 | 6,153 | 9,607 | 12,430 | 15,570 | 15,258 | 14,224 | 12,892 | 11,887 | |
妻 の 国 籍 |
韓国・朝鮮 | 2,582 | 2,555 | 2,555 | 2,681 | 2,560 | 2,275 | 2,003 | 1,724 |
中 国 | 1,486 | 2,918 | 4,363 | 5,814 | 5,762 | 5,584 | 4,963 | 4,573 | |
フィリピン | 1,456 | 2,816 | 3,485 | 4,714 | 4,630 | 4,216 | 3,811 | 3,547 | |
タ イ | 315 | 612 | 782 | 823 | 743 | 665 | 652 | 649 | |
米 国 | 53 | 68 | 76 | 79 | 74 | 66 | 64 | 63 | |
英 国 | 25 | 41 | 28 | 21 | 23 | 14 | 18 | 21 | |
ブラジル | 47 | 92 | 116 | 92 | 103 | 96 | 92 | 93 | |
ペ ル ー | 15 | 40 | 59 | 46 | 59 | 49 | 47 | 38 | |
その他の国 | 174 | 465 | 966 | 1,300 | 1,304 | 1,259 | 1,242 | 1,179 | |
妻日本・夫外国 | 1,839 | 2,760 | 3,259 | 3,834 | 3,710 | 3,608 | 3,396 | 3,309 | |
夫 の 国 籍 |
韓国・朝鮮 | 939 | 1,113 | 971 | 982 | 977 | 915 | 811 | 747 |
中 国 | 198 | 369 | 492 | 660 | 632 | 632 | 610 | 568 | |
フィリピン | 43 | 66 | 86 | 127 | 119 | 126 | 109 | 109 | |
タ イ | 8 | 19 | 30 | 44 | 45 | 37 | 42 | 32 | |
米 国 | 299 | 385 | 398 | 379 | 397 | 397 | 415 | 384 | |
英 国 | 40 | 58 | 86 | 80 | 77 | 98 | 71 | 71 | |
ブラジル | 20 | 59 | 81 | 150 | 140 | 112 | 120 | 133 | |
ペ ル ー | 7 | 41 | 68 | 77 | 70 | 70 | 74 | 73 | |
その他の国 | 285 | 285 | 1,047 | 1,335 | 1,253 | 1,221 | 1,144 | 1,192 |
資料:統計情報部「平成25年人口動態統計」
それと同じくして「国際離婚」という言葉も浸透してきました。
日本の離婚の種類には、主に協議離婚、調停離婚、裁判離婚があります。
協議離婚は、離婚届を提出することで離婚が成立しますので、このように簡易な方法で離婚ができる国は世界的にも珍しいようです。
例えば、北米の国のほとんどの州では、夫婦が離婚に合意をしていても、裁判所で法律で決められたとおりの離婚手続きを経た後でなければ、離婚をすることはできません。
さらに、フィリピンでは、原則として絶対的離婚(日本でいう「離婚」)は認められておらず、相対的離婚(法定別居)が認められているだけです(ただし、例外的にイスラム教徒同士では絶対的離婚が認められたり、外国の離婚判決が一定の要件のもとで承認されることはある)。
このように、国や州により離婚の制度は様々です。
先ほどのように「離婚は、裁判所で法律で決められた離婚手続きを経なければならない」という制度の国や州がある場合、これがどのように日本の離婚手続きに関わるかというと、外国では日本の協議離婚は、(きちんとした手続きを踏んでいないなどの理由で)離婚として認められない場合があるということです。
国や州によって離婚の制度や法律は様々ですので、これが国際離婚が非常に難しいと言われる理由の一つでしょう。
また、離婚を考えたときには、既に夫婦の歯車は噛み合っていない場合が多いので、配偶者が誠実に話合いに応じてくれない、既に配偶者が本国に帰ってしまった、配偶者がが外国での離婚手続きを調べてくれない、などといった事情も国際離婚を難しくしている理由でしょう。
ただし、国際結婚のご夫婦であっても、日本の方式で協議離婚をすることは可能です。
その根拠は、「法の適用に関する通則法」という法律にあり、これには国際結婚、離婚などの私人間の国際関係について、たくさんの規定があります。
その第27条の離婚に関する規定には、次のように書かれています。
夫婦の本国法が同じであるときは、その法律による。
1に該当する法律がないときには、夫婦の生活の基盤がある場所の法律による。
1および2に該当する法律がないときには、夫婦が最も密接に関係ある場所の法律による。
ただし、夫婦の一方が日本に生活の基盤がある日本人の場合は、日本の法律による。
つまり、外国人と日本人夫婦が日本で継続して生活している場合は、このただし書きから、日本の法律に定める方式で離婚することができます。ということは、日本人同士の夫婦が離婚をする場合と同じですから、協議離婚、調停離婚、裁判離婚の方法で離婚をすることができます。
夫婦双方が離婚に合意をしていれば、離婚届に必要事項を記入して役所へ提出して受理されれば、協議離婚は成立します。
そして、次の段階として、日本で離婚が成立したことを相手の国の大使館などに報告をすれば、相手の国でも離婚が成立したことになります。協議離婚の制度がある(中国、韓国)ではこのやり方で大丈夫でしょう。
しかし、ここで問題になるのが先ほど書いたように、日本で行なわれた協議離婚が、相手の国では「きちんと手続きを踏んだ離婚」と認められない場合があることです。
これに対しては、日本の裁判所の「離婚判決」があれば、それが外国でも認められる場合がありますから、方法としては離婚裁判をやることが考えられます。または、離婚調停でも、「調停調書には確定判決と同一の効果がある」旨を明確に記載してもらって、離婚裁判よりも簡単な手続きで済ませることも考えられます。
どのような方式で離婚を成立させれば、配偶者の国でも有効であるかは、その国または州の離婚制度により異なりますので、あらかじめ配偶者の国の離婚の法律や制度を調べた上で、離婚の手続きに取り掛かりましょう。
ここでは、離婚の成立の方法について書きましたが、離婚の慰謝料、財産分与、子の養育費について、どこの国の法律に基づいて考えるのかが異なる場合が出てくるので、このことからも十分な調査や相談を受けた上で、離婚の手続きに取り掛かりましょう。
日本に住む国際離婚をした外国人は、離婚後の在留資格が大きな問題となります。
もしあなたが、「日本人の配偶者等」の在留資格で日本に在留している外国人である場合、離婚をすれば日本人配偶者でなくなります。
したがって、離婚後は在留資格を他へ変更する必要があります。
もちろん、そのままの資格で在留資格更新することもできません。
在留資格が得られない場合は、最悪の場合、日本国外へ退去となりますので、離婚手続を進めるまえにしっかりと確認しておくことが大切です。
谷 雅史行政書士・社会保険労務士事務所
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